取り扱い材料

プラスチックには熱可塑性熱硬化性との2つに大きく分類されます。

熱可塑性は常温では固体ですが、熱を加えると軟化し流動体となり、冷えると固まって固体になるものです。

熱硬化性は温度をあげると一時は流動体になりますが、次第に化学変化を起こして固まり、固い物質に変化します。

<熱硬化性プラスチック>

・紙ベークライト

フェノール樹脂とも呼ばれ合成樹脂の中では最も古く工業化された樹脂です。高い電気絶縁性で電気を通さないことから電気部品や半導体で使用されます。バフ加工を行うことにより艶がより出ます。時間が経つと酸化により色合いが濃くなります。

[長所]

電気絶縁性、断熱性、難燃性に優れる。

[短所]

衝撃に弱く脆い。


・布ベークライト

紙ベークライトの布入りタイプで強度は紙ベークよりもあります。

紙ベークと同じくバフ加工を行うことにより艶がより出て、時間が経つと酸化により色合いが濃くなります。

[長所]

電気絶縁性、断熱性、難燃性に優れる。

[短所]

衝撃に弱く脆い。


・ガラエポキシ

エポキシガラスとも呼ばれ電気絶縁性が高く、布ベークライトより強度があります。

[長所]

電気絶縁性、断熱性、強度に優れる。

[短所]

欠けやすく脆い。加工時に集塵が必要。


<熱可塑性プラスチック>

・PVC(ポリ塩化ビニル)

塩ビとも呼ばれ熱可塑性樹脂の代表。最も重要な汎用プラスチックの1つです。 耐熱用、耐衝撃用素材や透明素材も扱っております。 

[長所]

安価で強度・絶縁性に優れる。

[短所]

高温、低温に弱い。

 


・POM(ポリアセタール)

エンプラ系の汎用切削用材料。

ホモポリマーとコポリマーとがあり、市場ではテナックや、セルコン、ジュラコンなどの商品名で市販されています。

[長所]

摩擦係数が小さく耐摩耗性、電気絶縁性が良好。

[短所]

耐加水分解性に劣るので温水中での使用は不可。


・PC(ポリカーボネート)

 

プラスチックの中で耐衝撃性に優れ、ガラスに匹敵する透明度を兼ね備え、透明材料は壊れやすいという常識を打破したプラスチックです。

乳半系やスモーク系もあります。

[長所]

耐衝撃性に優れる。ガラスと同等の透明性。

[短所]

耐薬品性が×。

 


・PET

(ポリエチレンテレフタレート)

 飽和ポリエステル樹脂の一種で、耐薬品性や耐油性優れ、電子・食品産業などの用途に適しています。

[長所]

耐薬品性・耐油性に優れる。

[短所]

耐衝撃性・耐熱性は劣る。

 


・PE(ポリエチレン)

 乳白色のワックスのような感じのプラスチックでポリ塩化ビニルとともに熱可塑性樹脂の双璧です。

[長所]

水より軽い。加工しやすく耐水性、耐薬品性に優れる。

[短所]

耐擦傷性に劣り、傷がつきやすい。


・PP(ポリプロピレン)

軽量で耐薬品性、耐熱性に優れ加工しやすいことから化学工業用品、電気製品などさまざまな用途で使用されます。

[長所]

軽量で耐熱性に優れる。

[短所]

熱膨張率が大きく、可燃性で耐候性に劣る。


・ABS

アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの共重合物でそれぞれの頭文字をとって名付けられました。耐衝撃性にすぐれ加工もしやすく美しい仕上がりが可能でさまざまな製品に使用されています。

[長所]

耐熱性、耐摩耗性、表面光沢性に優れる。

[短所]

対候性に劣り日光・紫外線で強度が劣化する。

 


・MCナイロン

主原料ナイロンモノマーを大気圧下で重合・成型することで6ナイロンの特性を向上させ、射出成型品や押出成形品にはない優れた特性をもっています。 ロットにより色の異なる場合がありますが製品上の問題はありません。

[長所]

機械的強度、耐摩耗性、耐薬品性に優れる。

[短所]

吸水性、吸湿性いよるで寸法変化が生じる場合がある。

 


・6ナイロン

ポリアミド6とも呼ばれナイロン(ポリアミド)の中では最も有名でエンプラや繊維素材として幅広く用いられます。

[長所]

耐薬品性、耐衝撃性に優れ、広い温度域で強度を保ちます。

[短所]

加工時の後処理が手間がかかる。


・超高分子量ポリエチレン

(UHMW-PE)

 低圧重合法による高密度ポリエチレンで、一般に分子量が150万以上のものをいいますが450万以上のものが主流となっています。

[長所]

比重が軽く、耐薬品性・耐紫外線性に優れる。

[短所]

寸法安定性が劣るので精密機器には不向き。


・PEEK

(ポリエーテルエーテルケトン)

エンプラの性能を上回りスーパーエンジニアリングプラスチックで、先端分野を支える重要材料です。

[長所]

耐熱性、機械的強度、耐薬品性などに優れる。

[短所]

高価。ガラス転移点143℃付近で機械的性質が大きく変化する。

 


・アクリル

 高い耐久性に優れ、美しい透明性を保つ素材です。コップなどの身の回りのもののほかに、水圧に耐えることから水族館の巨大な水槽に使用されたりもします。

透過性はガラスよりも優れています。

[長所]

耐久性、透明性に優れる。

[短所]

傷つきやすく、薄いアクリルは割れやすい。

 


こちらにない材料もご相談承りいたします。